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中学一年生の「職場体験学習」
長年続けてきた「出前授業」の経験を通じて、学校内の施設の点検や簡単な作業、仮想の家の平面図から電気の設計を行って完成させる、といった活動をやってみたいと思うようになりました。

東京電力パワーグリッド、(一財)関東電気保安協会、東京都電気工事工業組合の3者がタッグを組んで、よりパワーアップした学習カリキュラムを準備しています。

まずは朝礼。

電気工事の現場では必ず安全朝礼を行います。「ご安全に!!」が私たちの合言葉です。みんなで大きく復唱します。
そして重要なのはKY活動です。KYといっても「空気読めない」ではありません。「危険予知」のことをいいます。
どんなところに危険が潜んでいるか、それをどのように防ぐか。
毎日毎日、私たちはKYを繰り返し行って、自分自身や仲間の身の安全を守っています。
ケガをしてしまっては本人はもちろん大変ですが、家族にも心配を掛けることになります。みんなが社会人として一人一人役割を担っているのですから、決してケガをするようなことがあってはならないのです。

高所作業車の体験です。

バケット(かご)に載ってブームを伸ばせば、みるみるうちに高所へ。「こんな高いところで仕事をしているの!?」とびっくりされます。
電気の通う電線は触れると危険ですから、電柱の上に張り巡らされています。電柱に設置された変圧器(トランス)で電圧を低くされて、引込線で各家庭に運ばれていきます。すべて電気工事の仕事です。

「学校の電気はどこから来ているの??」
学校は大きな建物ですから、普通の家とは違ってたくさんの電気を使います。電柱からの低圧電力だけでは足りません。発電所から送られてくる電気はキュービクルという箱型の設備で受電します。キュービクルで高圧から低圧に変圧されて電気が使えるようになります。普段、学校の中でも目立たたないところにあるキュービクルですが、とても大切な設備です。
電気設計の授業では、実際に電気図面を作成します。

自分の家族が住む家の図面だと思えば真剣そのもの。
「ここに照明器具があったら便利。」
「ここにエアコンがあると直に風が当たってしまう。」
「スマホの充電をしたいからベッドのところにコンセントがほしい。」
「勉強部屋にテレビはいらない!」などなど。

「その回路設計だとブレーカーが落ちてしまうよ。」「水周りは十分注意してね。」「扉を開けた時にスイッチが隠れちゃうよ。」話が盛り上がるほど、アドバイスにも熱が入ります。

どんな器具を取り付けるかみんなで相談します。
色々な機能を持った照明器具がありますから、決めるのもひと苦労。デザインも大切です。
一番大切なのは、住む人、使う人のことを考えて選んで提案する、提案型営業の経験です。


生徒の皆さんからの感想
「高所作業車に乗って高い場所に行ったことが印象的だった。ぼくは乗っているだけでも怖かったのに、皆さんはあの場所で作業をされるのがすごいと思いました。」

「延長コードづくりや学校のコンセントを探すなどの楽しい体験ができた。」

「自分の名前の名刺などをもらい、本格的に職業体験ができた。」

「電気の仕組みというところでは、電線を通る(V(ボルト))の違い、それの危険性、電気を私達がどのように受け取っているかなどを学びました。」

「初めてのことで不安ばかりでしたが、貴重な体験をすることができました。特に、家の電気の配線をする際に、住む人の事を第一に考えて配線していること、電気の強さによる人間への害が印象的でした。」

「学校の中の電気が通っていないコンセントを探したことが印象的だった。」

「延長コードづくりの出来たときの達成感。」

「お客様のことを思いながら働いていることと、世の中の電気を動かしていることが印象的だった。」

「市民の生活を支え、事故の起こらないように色々工夫されている事がわかった。」